千歳川
千歳川は、湖水面積77kuの支笏湖を水源にもつ石狩川の一支流である。
千歳川の流域には、千歳市、恵庭市、北広島市、長沼町、南幌町、江別市の4市2町が存する。産業としては水田、畑作等の一次産業、食料製造業、金属製品製造業等の二次産業が盛んで、最近は特に札幌圏としてのベッドタウン化や新千歳空港を中心とする臨空型工業地帯の拡大等により発展が著しい地域となっている。
その後、約3万年前の支笏火山の噴火による大量の火山灰、軽石流等の堆積により標高25m程度の丘陵地が中央部に形成された。この丘陵が分水嶺となり、その北部は湖沼・低湿地化し、やがて石狩川の流れは日本海に転じたと考えられている。
さらに、低湿地化した丘陵地の北部(千歳川流域)では、石狩川や千歳川、夕張川等の氾濫が繰り返され、地盤強度の弱い泥炭層や粘土層からなる全国的にも例を見ないほどの勾配の緩い低平地が形成された。
(「国土交通省河川局」「千歳川の治水計画の考え方」より抜粋)
千歳の地域の特性として積層している火山灰があります。
新しくは1973年に噴火している樽前山の火山灰(樽前a:この上に現在の暮らしがあります)。
同じ火山から噴出した樽前b(1667年噴火)、樽前c(約2,000年前噴火)、その下に17,000年前に噴火した恵庭岳の恵庭a火山灰、さらにその下には支笏火山(現支笏湖はこの火山のカルデラ湖)から42,000年前に噴出した支笏火山灰が堆積しています。
遺跡はこの火山灰に挟まれて発見されています。
旧石器では、恵庭a火山灰の最上層(12,000年前前後)の風化層から細石刃文化の遺跡が見つかっています。
その下の支笏火山灰上層でも柏台1遺跡の細石刃文化(1,800年前)や丸子山。祝梅下層では石刃文化以前の石器群(20,000〜22,000年前ほど)が見つかっています。
但し、これ以上古い遺跡(支笏火山灰下)の発見は、支笏火山灰が厚いため千歳地域での発見は困難と思われます。
北海道最古の遺跡は、千歳地区以外で発見される可能性が高いと思われます。
(千歳市教育委員会 埋蔵文化財センター 田 村 俊 之 様からのメールメッセージ)
丸子山遺跡全景(千歳市埋蔵文化財センター資料より)