En−a層下位出土遺物の出土(石器時代)


    約15,000年前の恵庭岳噴火により降下したバミス。丘陵上の平坦面で約2m堆積し、   最上面は風化し厚さ20cm程が  ロ ーム化している。
 

  En−a層下位出土遺物

  En−a層下位出土遺物の調査経過

  丸子山遺跡の調査が開始される前年に、千歳市教育委員会は丘陵全体の測量調査を行った。その際に、既に一部掘削され露出していた丘陵南部の断面を観察することが出来た。

 これにより丘陵が支笏火山の風成二次堆積によって形成された古砂丘を基盤とすることが判明した。層厚は15m以上と推定されている。

 この基盤の古砂丘上面とEn−a層の間にはローム化した茶褐色をはじめとする何枚かの火山灰が確認された。

火山表を入れる。

  調査結果

 En−a層下位の調査は、その上位の層より非常に多くの遺構、遺物が検出された。

 層厚約2mのEn−a層を重機で除去し、精査を開始した。En−a層除去後の丘陵上には、それ以前とはかなり異なった状況を呈した。即ち、丘陵の東西端はいずれも標高19mを越えて可也高く、これに対して丘陵中央部は18,3m前後と逆に低い。

 中央部は盆地状或いは樋状に窪んでいることになる。又、北側の沢地形のように深く削り込まれていた。

第五層:恵庭a降下軽石層(En−a層)。約15,000年前の恵庭岳の噴火によ

               り降下したバミス。丘陵上の平坦面で約2m堆積し、最上面は風化し厚

               さ20cm程がローム化している。ローム層の上面では細石刃を伴う石器

               群が出土した。

第六層:茶褐色の火山灰層。支笏火山灰が風化した土壌であると言われている

               が、堆積原因、成因等が不明なため仮称とした。厚さは約80cmあり、

               肉眼では複数の堆積層や明瞭なインボューションが観察できる。

               上面よりエンドスクレイパーを伴う石器群が出土した。

 En−a層を取除くと、茶褐色から鈍い黄橙色のロームが認められた。この層を多少削りこんだ段階で遺物が出土し始めて。又石器と同時に炭化物の広がり(炭化物ブロック)が検出された。

 石器は殆どが、この炭化物ブロックに伴って出土し、両者に強い相関が認められた。

 炭化物ブロックは最終的には31ヶ所にのぼり、総計211点の石器の内、196点が炭化物ブロック内及び近接して周辺から出土した。

 単独で出土した石器は15点に過ぎない。