丸子山遺跡概要図―C

 En―a層上面の旧石器

 細石刃を伴う石器群である。現在確認できている細石刃核は白滝型・オショロッコ型である。

 細石刃核の他にエンドレスクレィパー・荒屋型クレィパー・コア・局部磨製石斧・有舌尖頭器などが出土した。量的にはエンドレスクレィパーが石器全体の7割以上を占めると思われる。

 石材は頁岩、黒曜石である。出土対点は、丘陵のほぼ中央において直径約8mの範囲内に集中しているが、小規模なスポットも数地点存在する。

 縄文時代の濠は丘陵平坦部の外周に沿って巡り、環濠であることが確認できた。北西部の急峻な斜面の部分では濠が設けられていない。総延長は約170m、断面形はV字形・U字形、幅1,5m〜2,5m、深さ約1〜1,8mである。

 環濠の時期は竪穴との重複関係、出土関係から縄文時代中期後半と考えられる。竪穴住居跡は円形或いは楕円形のプランであり、規模もまちまちである。時期は縄文時代中期末〜後期初頭が主である。

 環濠と竪穴住居との関係については調査中である。

(「北奥古代文化研究会第22回」より 田村 俊之氏の報告の抜粋)

以下は遺物拡大図
弓の出土状態