環濠内遺構の主な建物跡―A
丘陵の平坦部から斜面に移行する部分に位置する。長軸15,1m、短軸9,3mの規模を有し, 52軒の中で最も大型の竪穴住居跡である。
環濠として掘削し始め、後に放棄されたと考えるピット状の土坑を切って構築されている
床面東端のベンチ状施設との間には、他の床面に比較して、著しく硬い面が認められた。或いは住居の出入り口部に相当するのかもしれない。
長軸線上或いはその付近に大小6ヶ所の地床炉があり、うち一カ所は東側のベンチ上にある。
床面中央部には長軸約3,5m、短軸約2,0m、深さ20cmほどのやや大型の掘り込みがあり、地床炉の一つはこの掘り込みの底面に形成されている。
また住居構築時に排出された堀上げ土が北西斜面において確認されている。
