キウス7遺跡―2

Ta−c層・約2,300年前からY層の漸位層(後期旧石器時代の細石刃)

  キウス7遺跡―2

   Ta−c・約2,300年前からY層の漸位層(後期旧石器時代の細石刃)

   キウス7遺跡は、馬追丘陵の西裾野を流れる小河川沿いで見つかった遺跡の一つで、標高3545m程のキウス川左岸段丘上に広がっている。

  地形は段丘面より伸びた舌状台地上の狭い平坦部とそこから北方と西方に向く斜面・V層上面からなっており、キウス川に面した斜面の終端は河川で削られ崖になっている。

  遺構・遺物が崖の間際まで分布していることから縄文時代末頃には緩斜面が下方まで伸びていたと考えられる。

  崖を挟んだ現在の河川との比高差は約5m、対岸にあるキウス5遺跡の底湿部との比高差は約4mである。

   遺構・遺物はW層(樽前c降下軽石層)を挟む上下二枚の腐植土層(V・X層)とその下位の漸位層(Y層)から見つかっている。

  遺物

 遺構は、住居跡4軒、土坑6基、焼土、炭化物集中などがあり、住居は西側斜面下方の傾斜がやや緩くなった地形上に纏まって見つかっており、時期は縄文時代後期・晩期と考えられる。

  縄文時代早期・中期〜晩期、続縄文時代各時期の土器、石器、土製品、石製品が出土し、この他に後期旧石器時代の細石刃、細石刃核、堀器なども出土している。

  旧石器時代の遺物はキウス川流域の遺跡群では、キウス5遺跡C地区とともに初めて出土したものである。