目で見る環濠遺跡


  環濠の様子!

 「静川遺跡」は苫小牧市と厚真町にまたがる、厚真台地と呼ばれる丘陵の苫小牧側に位置する。

 環濠がつくられた時期については、濠が完全に埋まった上に、縄文時代の終わりごろに降った樽前山の火山灰が覆っていることから、縄文時代につくられたものであることは確実。

 更に、濠の底からは、縄文時代中期末(約4,000年前)に使われていた土器が出土している。このことから、環濠がつくられたのは縄文時代中期末と考えられています。

 又、環濠内の住居跡からも同じような土器が出土していることから、環濠とほぼ同じ頃に営まれていたと考えられる。

 縄文時代の環濠は、全国的に見ても珍しく、今までに数例発見されているだけです。

 そのうち今回のように全体がわかった例はなく、その意味からも、「静川遺跡」の環濠は貴重なものといえるでしょう。

 では、一体どのような目的で環濠がつくられたのでしょうか?

外敵から身を守るための施設、或いはマツリを行うための聖域など色々考えられていますが、まだ、はっきりしたことはわからないと言った状況です。

 どのような機能を持つにしても、「静川遺跡」の環濠が、縄文時代の社会を解き明かすための手がかりを我々に与えてくれることは確かであると言えるでしょう。