北海道は東西二つの陸塊が衝突してできたと考えられ、今から約2億年前、北海道辺りはまだ海だったようです。
14億年前に北米プレートとユーラシアプレートの接近が始まり、それぞれのプレートの先端にはオホーツク古陸と西方古陸が出現し、挟まれた海には陸から運ばれた土砂で埋められ、森林が発達した。
この森林が炭化したものが石狩炭田の石炭である。古陸は4千年前に衝突を始め、北海道の背骨をなす日高変成帯(北海道で、土台となる付加体のほかに付加された海台と厚い堆積物からなる空知・蝦夷帯が分布し日高山脈には、日高変成帯が露出している。
北海道の地質構造の形成に関しては、古第三紀に、北海道の東と西の部分が衝突して、日高変成帯をつくったとする考えが有力である。
衝突は更に進み、これら変成帯の地層を褶曲・隆起させ、日高山脈が形成された。約1.500年前のことで、約1.000年前には北海道の原形が完成した。
渡島半島の付け根に当たる地域は、火山の活動が大きく関わって形成された。
積丹半島の奇岩は海底火山の中身を見せている。一方、支笏・洞爺を中心とする南部に多いのは第四期後半に生まれた新しい火山であり、手稲山、無意根山、朝里岳、余市岳などである。
支笏カルデラでは、2万年前から恵庭岳、1万年前から樽前山が生まれた。17世紀半ば、火山活動の活発な時期で、駒ヶ岳、有珠山、樽前山の相次ぐ噴火でアイヌの人々に食糧難をもたらしたらしい。
道内では最も温暖で、ブナ、トチノキなどの温帯林や竹林が見られ、石狩、勇払低地以東の北海道本体部とは異なる植物相をしめす。
樽前山・苫小牧市・千歳市
樽前(たるまい)山(標高1041m)は支笏(しこつ)湖の南側にある火山です。 支笏湖周辺には樽前山の他に恵庭(えにわ)火山、風不死(ふっぷし)火山などがあります。
約4万年前の破局的な噴火で支笏火砕流が噴出し、 現在の支笏カルデラが形成されました。 支笏火砕流は札幌市の付近まで達していて、石材(札幌軟石)として利用されています。支笏カルデラの形成のあと風不死火山、恵庭火山、樽前火山の順に火山が形成されました。
樽前火山は約9000年前に活動を開始しました。最初の噴火は大規模な軽石噴火(Ta-d)で、多量の火山灰が東方に降りました。 その後約3000年前に2回の爆発的な軽石噴火(Ta-c1、Ta-c2)があり、 降下火砕物、火砕流、火砕サージが噴出しています。江戸時代の1667年には樽前火山で最大級の噴火(Ta-b)が起こり、多量の降下軽石や火山灰が東方に降りました。 このとき火砕流や火砕サージも発生しています。 1739年には再び多量の降下軽石と火山灰の噴出(Ta-a)があり、 山麓には火砕流・火砕サージが流下しました。 この噴火で現在見られる直径1kmの山頂火口が形成されました。 その後、1804-1817年には小規模な軽石噴火が繰り返され、火口内に火砕丘ができました。 1867年の噴火ではこの火砕丘の上に溶岩ドームができましたが、 1874年の軽石噴火でこの溶岩ドームは破壊されました。 1909年の噴火では4月17日夕方〜19日夕方までのわずか48時間で、現在の溶岩ドームが形成されました。 最近では1981年にも小規模な噴火を起こしています。